B アメリカの大学は「入学がやさしい」


望めば入学させる州立大学

 

時代が進みアメリカ全体が裕福になるにつれ、大学に進学したいという人も増えました。

 

各州に1校の州立大学ではとてもまかないきれないため、どの州もどんどん州立大学をつくっていきました。

 

そのため現代ではそれぞれの州にたくさんの州立大学があり、その州でよくできる人たちを入学させる大学、まずまずの人を入学させる大学、どんなにできない人でも入学させてくれる大学、というように、いくつものレベルに分かれていったのです。


こういうことが、アメリカの大学は「入学がやさしい」といわれる一つのゆえんです。

 

バラエティとバランスを重視する私立大学

 

リーダーを育てるためのリベラルアーツ中心の大学も、年月を経て入学希望者が増えたため、面接でユニークな人をとろうとか、推薦状の内容がすばらしいので入学のチャンスを与えよう、というように、入学生を選抜するようになりました。

 

これが日本の自己推薦や学校推薦の基になっています。

 

いまでもリベラルアーツ・カレッジをはじめとする私立大学では、面接や推薦状、エッセイやボランティア活動などを、総合的に判断して合否を決めています。


またお父さんお母さんが卒業生で、寄付をたくさんしてくれるなら、その子女を優先的に入学させよう、とも考えます。

 

とくに私立の大学は、入学生のバラエティやバランスを大事にします。

 

大学の授業ではディスカッションが盛んに行われますから、「上位何番まで」というような選抜をして同質な学生ばかりを入学させるのは好ましくないと考えるのです。


できるだけいろいろなタイプの学生が欲しいということです。

 

成績やテストスコアも重要ですが、それだけでなく、ボランティアでリーダーシップを発揮したとか、バンドのライブ活動を通して全国を廻った、なんてことを経験していたりすると、大学は「おもしろい人材なので入学させよう」ということになるのです。

 

出願者の立場からすると、少しくらい高校の成績やTOEFLスコアが低くたって、推薦状やエッセイ、面接をとおして精一杯アピールすれば、入学のチャンスは与えられるということになります。

 

こういう点から見ても、アメリカの大学は「入学がやさしい」のです。

 

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